虫が好きだ。
それは「抱きしめたい」とか「食べちゃいたい」とか、
そういう好きとは違う。知的好奇心からくる、好き。
まず、小さくても懸命に生きてる姿が清々しい。
彼らに感情なんてものはなく、ただただ生存本能のみで活動している。
それがなんとなく生物としてストイックに感じられ惹かれる。
そして、その生存本能から編み出された“変な工夫”を見るのが面白い。
「どう生き残るか」という事をあれこれと模索した結果を体現している。
個体としての思考力がないが、種として思考しているとしか思えない。
あなたのそばにちょっととまったハエですら親虫がいる。必ずいる。
その親虫にはまた親虫がいて、その親虫にもまた親虫がいる、その親虫にも…
そうして太古の昔から脈々と受け継ぎ、遺伝子の変異のみで
開発されてきた生き残るための工夫が、どのような経過をたどって
現在の形にいたったのかを想像するのが実に面白い。
そうした工夫の意図を知り、時には驚き、時にはつっこみ、時には感心する。
ダンゴムシはなぜ丸まるのか! カメムシはなぜ臭いのか!
身近に潜む謎とロマン。ビリビリ刺激される好奇心。
それを尽きる事なく提供してくれるから好きなんだよ。虫。