横スクロールゲームの多くは、左から右へ進む。
右から左もありえるのに、なぜ左から右なのか。
その理由は…
「右利きの人が多いから」
だと思う。元をたどれば。
右利きの人が文章を書く場合、左から右へ書いた方が利点が多い。
書いたそばからその文字が確認できるし、
インクで掌根が汚れない、あるいは掌根で紙を汚さない。
左から右へ書かれたものは、当然、左から右に読む事になる。
長い間、人は左から右へ書き続け、左から右へ読み続けてきた。
とりもなおさず、これは、左から右という「流れ」を、
知覚に、概念に、刻み続けてきた、という事なんだな。ザ・習慣。
だから、“流れを追う”という作業を行う時、
人は「左から右」の方が自然に感じるってワケだ。
などと言うと
「日本人(東洋人)の縦書きは右から左へ読むじゃないか!」
という反論がわいてきそうだが、縦書きの場合は、
左右より上下の流れへの意識の方が強く働くと思う。
まず縦書きありきで、“やむない理由”により左へ改行しただけ。
(↑さすがに主旨から逸れすぎるので割愛)
単にそれだけの事だと思う。
縦書きであっても、1つ1つの文字を取り出してみれば、
その書き順は、左から右が基本である事に気づくだろう。
文字を構成する「一」を右から左へ書く人はいないはずだ。
結局、左から右が流れとして自然という事に変わりないのだ。
閑話休題。
とはいえ、例外はある。
右から左へ進むゲーム、ないではない。
例えば、ファミコン時代の名シューティングゲーム
「スカイキッド」は右から左へ強制スクロールする。
▲スカイキッド タイトル画面
これを作ったメーカーのナムコは、
「縦書きの文章を右から左へ読んでいく日本人の感覚に配慮した」
という、冒頭でも挙げた “もっともらしい” 理由を掲げているが、
ぼくが思うに、左から右という “王道” に対する単なる “ハズシ”、
珍しさで注目を集める事が本当の理由だったんじゃないかなぁ。
特に日本がテーマのゲーム内容でもないしね…主人公もバロンとマックスだし...
プレイヤーとしては、ゲーム内のルールが、
「右から左」であれば、それに従うだろうし、
プレイしてる内に慣れてしまうので違和感はなくなるが、
それでも、やっぱり意識的に見てみると…
▲スカイキッド プレイ画面
ロゴタイプもスコア表示も、 テキストはすべて横文字、
つまり左から右という流れで読むにも関わらず、
スクロールは右から左というのは違和感を覚えちゃうよね。
無意識的にノイズになりえる要素だと思う。
ま、そんなノイズ要素をさっ引いても「スカイキッド」が、
名シューティングである事には変わりないんだけどさ。(´ー` )