ひなげしを見ると、与謝野晶子を思い出す。
晶子の旦那は、とある出来事で落ち込んでいた。
日がな一日、ため息ばかり。
見かねた晶子は、気分転換にと旦那をフランスに留学させた。
しばらくして旦那から届いた手紙はこんなだった。
「ぃやっほーう。フランス最高〜。君もおいでよ (満´ー`足)ノシ 旦那拝」
完全にウカレていた。
「アンヌヤロォォオー、落ち込んでたから、
家計切り詰めて捻出した旅費で、フランス行かせてやったのに、
なんてザマだッ!(<(((●)))> 曲 <(((●)))>)ギリギリ」
怒り心頭の晶子。いてもたってもいられなくなった。
子供達を親戚にまるっと預け、仕事を森鴎外にさくっと押しつけ、
ついでにちょろっとお金も拝借。テヘ(;P)ペロ
シベリア超特急で一路フランスへッ!!m9(;`Д´)
やがて、パリで再会した二人。
「あきこぉーー!」「だんなぁーー!」がしっ!
長旅の心細さが怒りを忘れさせ、愛を育んだご様子。
そのままお姫様ダッコ&スキップで野原へゴー。
ひなげし咲き乱れる野原で、うかれた晶子と旦那は、
両の手を取り「アハハ」「ウフフ」とくるくる回り、笑い合った。
その時、晶子が詠んだのが、この歌。
ああ五月
フランスの野は火の色す
我もコクリコ 君もコクリコ
ひなげしには麻薬成分は含まれていないはずだが、
この時の二人は脳内麻薬で、かなりラリッてたものと思われる。
明治45年――
女性一人の海外旅行が現在の月面旅行くらい困難だった時代の出来事。
――――――――――――――――――――――――
与謝野晶子という人物
妻子ある身の男性を、親友から奪い、
家族の反対をものともせず駆け落ち結婚、
11人の子を産む。
売れない歌人だった旦那に習い、
小遣い稼ぎのつもりで詠んだ晶子の歌はバカ売れ。
面白くない旦那は奪ったはずの親友と再び不倫関係に。
ところが、ほどなくして、幸か不幸か親友は病死。
失意の旦那を慰めようと留学させたのだった。
いやはや、壮絶だよ。
晶子の人生を思うと、なんでもできそうな気がする…