江戸っ子は五月の鯉の吹き流し 口先ばかりはらわたはなし。
なんてことを申します。
江戸っ子というものは言いたい事をポンポンと言ってしまうってーと、
もう肚ん中には何にもなくなってしまう。
竹を割ったようなサッパリとした良い性格だって事を言ってるんですね。
口先ばかりはらわたはなし。
江戸っ子ってのははらわたがなかったんだそうですね。
してみますってーと、江戸っ子の塩辛ってのは大変にこう、
作りにくかったんじゃないかーなんて思いますけども。
何を致しますにも、すぐに啖呵を切りましてね、
「何を抜かしてんでい。べらぼうめ。こちとら江戸っ子でい。
義理とふんどしは欠かした事はねぇんだ」ってんで、
くるっとケツをまくると、ふんどし締めてなかったりなんかして。
中にはだらしない江戸っ子もいたようでございますけども…
これは定番のまくら。
ニフティとフジでたまにかぶるから覚えてしまった。
こうして書き出して、試しに読み上げてみるんだけど、
これがまぁーむずかしくってちっとも落語口調にならない。
節も調子もあったもんじゃない。第一、呂律がまわらない。
噺家によって、節回しや調子は違い、その上手下手はあれど、
ちゃんと落語にはなっている。
噺家ってすごいね。