できたてホッカホカを、東京の出版社さんに送付した。
いろいろ事情があって予定から、ずいぶん遅れてしまったよ。
▲1冊の制作費 ≒ お米10キロ分
▲中身はこんな感じ。
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作品ファイルの作り方
イラストレーターのポートフォリオの作り方っていうのは、
なかなか表に出てこない。
表に出てくる性質のものじゃないってのもあるけど、
それにしても、あまりに情報が少ないと思うんだよ。
もっとも、ポートフォリオの作り方は、人それぞれ。
どの作品を、どれだけの量、どのように見せるのか、
どれだけお金をかけ、どれだけ手間をかけるか、ぜんぶ自由。
イラストレーターそれぞれ、自分の個性を活かせるよう、
工夫すれば良いと思うし、そうあるべきだと思う。
だから、一般的に通ってるセオリーなんてものはない。
ただ、1つだけ言える事は、
これは書店に並ぶ、娯楽目的のいわゆる“作品集”とは違う。
あくまでお仕事を頂くための営業ツールだという事。
これだけは、忘れてはならない。
そういう意味においては、気をつけるポイントはあると思う。
今回、ファイルを送付した出版社の編集者Oさんに、
作品ファイル作りにおいてのポイントを教えて頂いた。
ずっと前に他の編集者さんや同業者から教わった事も含め、
作品ファイルを作る上での情報をシェアしようと思う。
はじめる決断をした人達の参考に、少しでもなれば。
自分の備忘録としても。(・_・)
■内容的なおはなし
先方に提供した作品を入れても良い
違う部署の方がご覧になる事もあるので。
でも、こればっかりになるのは宜しくない。バランス。
作品が掲載された媒体名や出版社名を載せる
先方と同系ならば、同系のタッチでのご依頼の幅が広がるし、
そうでなければ、違うタッチでのご依頼の幅が広がるとの事。
「ドコソコさんのお仕事されてるんですか」と話題にもなるのだとか。
少なくとも仕事で描いた絵なのかオリジナルの絵なのかは区別しておく。
4Cばかり載せない
2色ものや1色の線画があれば、それを多用する媒体の担当者さんに、
参考にしていただけるとの事。そういうところから広がる事もあるよね。
使用用途のバリエーションを
大胆なイラストだけでなく、挿絵、4コマ漫画、アイコン、
キャラクター、体験ルポ、手書き文字が入ったモノなどなど。
先方の特性に合わせた作品選定を
ライトなタッチを多く求める出版社にラッセンみたいな大仰な超大作を
「んどーだ!」と送りつけるとか…明らかに的外れなチョイスをしない。
個性と汎用性
大きい会社は個性のある作品の割合を多く、
小さい会社には汎用性のある作品の割合を多く、と言われている。
自分の指針もあるし時代背景もあると思うけども。
家庭用プリンタは避ける
家庭用プリンタでは充分なクオリティを出せない。
特に面の多いタッチがメインだと、劣化が顕著に出る。
キン○ーズ等で出力する。
■お作法的なおはなし
承諾を得てから送る
いきなりボーンと送りつけず、電話でお伺いを立ててから、
送るようにする。先方で決まったフォーマットがある場合も。
納期・料金の目安をなるべく書く
お仕事なので、これも大事な要素。送付先から求められる事もある。
考え方は色々だが、納期は多目に、料金は少な目に書く。あくまで目安。
使用ソフトとそのバージョンを書く
デザイナーさんが使用されてるバージョンと違う場合、
お伝えしておかないといらぬお手間をかける事になる。
ページ数は多くてもよい
なぜか同業者の間では「絞り込んで少なめに」という意見が
通ってるが「多い方がいろいろな作品がみられてよい」という
ご意見の編集者さんの方が圧倒的に多いらしいよ。
あんまり奇をてらわない
他の人のファイルより目立とうとするのは悪い事じゃないけど、
ファイルの表面に立体的な装飾をしたり、背表紙にファー付けたり…
そういうのは勘弁らしいよ。そりゃそうだよね…
ファイルのサイズは一般的なA4で
まず間違いなく本棚で管理される。本棚に入らないほど、
大きなファイルは別の場所に保管され、見られる機会を逸する場合も。
先方からサイズを指定される場合もある。
背表紙に幅があるファイルを
幅がないと本棚に並べた時、埋もれて見えなくなる場合も。
ぼくは百均の20ポッケのやつを使った。
背表紙にもアイコンを入れておくとさらに良いかも。
名刺を必ず添付する
同封するだけでなく見開きにポケットを付け、
何枚か入れておく。名刺ポケットは百均で売ってる。
連絡先をちゃんと書く
せっかく気に入ってもらえても連絡してもらえなきゃ
なんにも始まらない。個人情報保護とかを言う場面じゃない。
名刺も同様。肩書きと名前とメルアドだけって名刺は失礼。
ファイルの外にも書いてあると良い。
※他に気付いたら加筆します