引っ越しました

2009年06月02日

階下住人の謎

正午過ぎ、散歩にでかけようとしたら、
アパートの前に中年男性が2人座っていた。
気にとめず通り過ぎようとしたら呼び止められた。


――――――――――――――――――――――――

「108号室の小野(仮名)くんの事、知ってる?」


小野? 知らな…

あれ?

いや、なんとなく最近聞いたような…

なんだっけ?


あ! そうだ!

2、3日前の昼頃、外から
何度も何度も人の名を呼ぶ大声が聞こえてきた。
30分ほど続いて「うるさいなー」と思ったんだ。
その時、呼ばれていた人の名が確か「小野」だった。


中年男性2人はガッチリした体格でややコワモテ。
最初は、借金とりかな? と思ったけど、
それにしては格好がいまひとつピリッとしない。

「小野くんの事、知らんかなあ?」

いかにも借金とりって感じなら「知らん」と言おうと思ったが、
2人の様子は取り立てというより心配してる感じだったので、
ひとまず話を聞こうと思った。

「2、3日前、外で『小野くん』って何度も呼ぶ声は聞きましたけど」

「あー、それ親方だ」と2人は顔を見合わせた。

「小野って人にどんな用があるんですか?」

「いやぁ、わちら小野くんの仕事仲間なんやけど…」

話によると、2人は借金とりじゃなく土建屋だった。
小野という人も同じ職場で働いてたが1週間ほど前から無断欠勤してるらしい。
それで2、3日前“親方”が様子を見に来たらしい。
それでも連絡がないので再び様子を見にきたというワケだ。なるほど。

「電話しても出ないし、呼び鈴を鳴らしても出なくてな、
 やめるならやめるでいいけど、何かあったんじゃないかって
 心配だもんで見にきたんだゎ」


まぁなんて、やさしい人達なんだろ。コワモテだけど。


もう一人の男性が続けた。

「さっきあんたが言うとった呼び声はうちの親方だゎ。
 その時、親方は洗濯機の上に貼紙してったんやけど、
 それでも連絡ないもんでなぁ。ほれ、見えるやろう?」


小野という人の部屋は1階。
磨りガラスで覆われているが隙間からベランダの様子は見える。
「ほれ」って声に誘われ覗いてみると、ベランダに置かれた洗濯機の上に
連絡ください的な事が書かれた紙が貼ってあった。

そういえば、2、3日前のあの呼び声の時、
ゴソゴソと何かしてる音も聞こえていたが、これだったんだな。

ベランダと部屋を隔てるガラス戸から部屋の中を伺おうとしたが、
カーテン代わりなのか、ハンガーにかかった服がガラス戸を横断していて、
よく見えない。服の隙間から少しだけ室内が見えるが真っ暗だ。

「…留守なんじゃないですか?」

「いや、親方が来た時『服の隙間から手首が見えた』って言うんよ」




手首… 


なんやら一気に不気味な感じになったぞ。



「それにな、さっき人が出て来た時、入らせてもらって、
 (うちのアパートの玄関はオートロックなので普通は入れない)
 小野くんの部屋の前に行ってみたんだけど、ドアの前に、
 消火器の粉みたいなのが撒いてあってなぁ…」


「えっ」

不気味さ倍増。

っていうか、消火器の粉って事は、
もしかしたら、ボヤでも出したんじゃないのか?
だとしたら、同じアパートの住人としては無視できない。
最悪、一酸化炭素中毒で倒れているのかもしれない…

男性2人と一緒に小野の部屋の前へ確認にいった。

「ほら、桃色の粉があるだろ?」

090602_1241~01.jpg

ほんとだ。確かに消火器の粉っぽい。
でも消火器を噴射したにしては量が少ない気がする。

「外だけじゃないんだよ。ほれ」

と男性の1人がドアポストの蓋を開けた。
ポストの中も粉だらけ。中で噴射したって事か?

「な? ヘンだろ?」

…ヘンなんてもんじゃないよう。ぜったい何かあるよコレ。

そんなわけで、管理会社に電話して来てもらう事になった。
ただ、ぼくもお仕事があるので、ずっとかまっていられない。

管理会社の人が来たら説明して開けてもらって下さいと
男性2人に言って、自分の部屋に戻った。

で、仕事を再開しはじめた所なんだけど、
気になって集中できやしない…もぉ〜。





posted by さくらい | 日常 | 更新情報をチェックする
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