引っ越しました

2009年06月02日

草を描く

仕事で草を描いた。

草なんてこれまでも何度となく描いてきたから楽勝だ
などと、たかをくくってたんだけど。

いざ、描き始めたら、うーん…

kusa090602.gif



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ちっとも筆が進まない。


まだ出版前なので、詳しい事は言えないけど、
草の種類は未指定、草食動物が食べるような草。
ちょいと事情があって一株でなくてはならない。
また今回はほどよいリアルさも求められている。

絵として描けないとか、そういう事じゃなく、
企画の内容に沿う絵を描かなくちゃいけない。
イラストレーターなのでね。むずかしいのは、ここだ。


一概に草といってもその形は様々だ。
いくつも頭に浮かぶが、ぼんやりとして定まらない。
日頃、どれだけ注意して見てないかって事だねぇ…

机の前に座ってても、らちがあかないので、
実物を見に近所の公園へ行った。


090602_1213~02.jpg
 ▲NG。“草”より“クローバー”の印象が強すぎる…

090602_1501~01.jpg
 ▲NG。葉が茎からじゃなく地面から直接生えてる感じの…

090602_1210~01.jpg
 ▲NG。もっと細長くてシュッとした感じの…

090602_1213~01.jpg
 ▲おしい。細すぎる。ちゃんと葉が分かる感じの…

090602_1215~02.jpg
 ▲これこれ。これぞ、ザ・草でしょ!

という感じで、モデルは見つかった。

じゃ、これをカメラで撮って、PCに取り込み、
トレースすればいいかと言えば、そういうもんでもない。
写真からトレースした絵は不自然になってしまい宜しくない。
 たまに人の顔写真をトレースして「似顔絵」って言う人がいるけど、
 いったい、どういうつもりなのか。ワカランと思ってるのかねえ?


規定サイズ内に収めなくてはならないという事もある。
実物のモデルはそんな都合良いポーズをしていてくれない。

また、人が頭に思い浮かべる一般的な「草」のイメージと、
かけはなれすぎない配慮も必要となる。

というわけで部屋に戻り、観察、素描の繰り返しで、
人が何をもって草だ!と認識しているか、を見極める。
その上でスケッチブックに今回使用する為の絵として構成してゆく。

 モデルより葉はもっと短く… 不要な部分は省略化…
 草食動物になったつもりで、おいしそうに。

草食べる.gif


こうして固まったイメージをAdobe Illustrator上で描いた。
 文章で書くと、やたら仰々しくなるけど、そう大した事はしてないよ。


出版前なのでここれでは見せられないけど、
ひとまず納得の「草」にはなったと思う。


実物をモデルにしたとはいえ、言ってみりゃ架空の草だ。
しかし、絵におけるリアルさというのは、
どれだけ「それっぽさ」を掴み、それを直感的に分かる形で
伝えられるか、だと思う。

実物がもつ「それっぽさ」は往々にして、
おとなしく、それっぽくしていてくれないものだから。




posted by さくらい | 制作 | 更新情報をチェックする
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