引っ越しました

2009年07月02日

インド料理屋の仕事はもうしない

近くへ行ったついでに、
以前チラシやメニューを作ったインド料理屋に顔を出した。

すると、新しく店をオープンするらしく
チラシとメニュー製作の打診を受けた。
でも断った。やんわりと。

この店だけじゃない。他の新店舗も断っている。

断るには、それなりの理由がある。

インド料理.jpg
 ▲インド料理、好きなんだけどね…

最近、インド料理店が急増している。とくに郊外。
ぼくをそれをあんまり歓迎していない。


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なぜならば

…と、その前に、なぜ最近、インド料理店が増えているか。
以前は店鋪を借りるに日本人の保証人が必要だった。
それが図らずも飲食業界のクオリティを守るチェック機能を果たしていた。
ところが今は保証会社がどんな奴でも、サックリ代行してしまう。
だから、どう考えても水準を満たしていない奴でも、
勢いだけで、オープンしてしまう。

金で買える信用、マズイと思うんだよ…

ぶっちゃけて言ってしまえば、日本に「コック」として入ってきている
インド人、ネパール人の内、本当のコックはほんの一握りだ。
ほとんどの者は「コック」と偽って入国している。
つまり、フライパンすら握った事がないド素人が厨房に立っている。
ポリシーもプライドもなく。

ここ10年、インド料理屋のチラシやらメニューやらを、
作ってきて思ったのは、彼らの多くは残念なことに、
下げる事ばかり考えているという事。

「ここまで下げたけどバレない」「バレないから問題ない」
そうやって、どんどん横着をしてゆく。水増し程度ならまだマシ。
衛生的、人道的に、マズかろうという所まで実際やってる。
彼らは裏で笑ってる。日本人バカだ、いいカモだ、と。


もちろん、全部が全部、ひどい店ってわけじゃない。
真面目に、良心的に、取り組んでいるインド料理屋もある。

その1つに、星ヶ丘の『バンチャガル』がある。
ここのコック長シャルマは日本にきて10年ちょっとだが、
本当にインドで10年、修行している筋金入りだ。
それだけに「本当にうまいインド料理を食べてもらいたい」という情熱もある。
若いコックはどうだか分からんけど、少なくとも彼が指導している。

以前、まかないに混ぜてもらった時、こんな事があった。
ぼくがパクパク食べてたシークカバブ、彼はかじったとたん渋い顔をした。
「どうしたん?」と聞いてみると「コレ…ちょっとダメね」と言う。
ぼくにはまったく分からない。充分、うまい。
「もしかして、傷んでるの?」と聞くと、ニコッと笑って、
「傷んでないよ、食べるの安心ね。でも味が落ちてる。店で出すは、良くない」
と、同時期に作ったであろうストックを全て処分させ、
今後の管理の仕方などをコックに厳しく指示していた。
ぼくは「はぁ〜プロだなぁ〜」とすっかり感心してしまった。
名古屋のインド料理で信用・尊敬できるコックは彼以外いない… 残念な事だけど…

こういう店もある中でだ。

インド料理どころか料理の知識もなく、良心もプロ意識も持ち合わせず、
「日本人なんてバカなカモ」くらいに考えてるインド人が、平気で、
「インドで20年修行したコックが作る本場のインド料理!」などと、
嘘八百うたってバカスカ出店している。それが現状だ。非常にゆゆしい。

「腐ってなきゃ問題ない」
「ちょっとくらい腐ってても問題ない」
「腐っててもスパイスでごまかせれば問題ない」
「ごまかせなくても日本人はバカだから問題ない」

…こういう考え方にほとほと嫌気がさした。
「問題ない」はインド人のお家芸? 知らんて。
ここは日本。郷に入れば郷に従え、だ。


もとよりビジネス的にお世辞にも良いとは言えない条件。
それでも請け負ってきたのは、バンチャガルのように
真面目で良心的な姿勢を応援したいという気持ちからだ。

その原点に立ち返って、今後、
新しくオープンするインド料理屋の依頼は受けない事にした。
このご時世に仕事を選ぶなんて…って考え方もあるけど、
信念に反する事に加担すれば、この仕事は成立しなくなる。


絵が描きたいだけなら商売にしなくていい。
商売がしたいだけなら絵じゃなくてもいい。


これは、この仕事をする上で、必ずついてまわる葛藤だ。
それを踏まえた上で、ぼくは絵を描き、それを生業にしている。




posted by さくらい | 制作 | 更新情報をチェックする
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