ちょいとした頼まれ事もされたので。
10年来の友人であり、この店のオーナーでもあるシャルマと
久しぶりに、あれやこれやと、おしゃべりした。
料理の話とか、家族の話とか、政治の話とか、あと昔の話とか。
▲シャルマと奥さんのラクシュミ
友人だからって言うわけじゃないけど、
バンチャガルはホントにうまい。そして良心的だ。
それも一重にシャルマのコックとしてのプライドの賜物。
インド・日本合わせて25年のコック歴は伊達じゃないよ。
なのに開店から1年余り、客足が伸びない。
シャルマの奥さんラクシュミは嘆いている。
「心配だよーう。夜も眠れないよーう」
今や人気店のシャティも黎明期はこんなもんだったと知っている
シャルマとぼくは、わりと気楽に構えている。
シャルマは開店以来シャティのコックを10年つとめた。
客足が伸びない理由はいろいろ考えられる。
不況もある。郊外の新店舗ブームもある。
スタッフが全員外国人という偏見も残念ながら少なからずある。
店の前に誰も望んでいない有料駐輪場が出来た事もあると思う。
▲3分停めただけで、もう札を貼られた。アホらしい。
でも、一番の理由は駐車場がないという事だと思う。
「1台分借りるのにウン万円かかる。しかも遠いよう」
とぼやくラクシュミ。これまで何度も「駐車場ありますか?」という
電話での問合せに「ありません」と答え、せっかくの客を逃してきた。
――――――――――――――――――――――――
そんなわけで、ちょびっと知恵を貸した。
まずは、バンチャガル周辺の地図をご覧あれ。
大きな地図で見る
ハイ、この通り、バンチャガル(A)の向かいには、
400台収容可能な駐車場を持つヤマダ電機がある。
これを利用しない手はないと思うんだよ。
もちろん有料。1時間300円だったと思う。
その300円(最初の1時間分)はお店で負担しては?という案。
途端にラクシュミからの反発が返ってきた。
「300円も払ったらお店つぶれちゃうよーう」
いやいや、そんな事はない。
その根拠を紙に図まで書いて丁寧に説明してあげた。
まず、車で来るのに1人って事は少ないはず。
多人数で来る確率が高い。仮にカップルを想定して2人だとする。
さらにディナーで1番安いセット1100円を2人で食べたとする。
合計2200円。その内、駐車場代300円を店で負担する。
これで1900円の儲けとなる。
確かに300円は損するが駐車場がない事がネックとなって
来店をやめたら、この得られるはずの1900円が得られない。
つまり実質1900円損する事になる。
300円損するのと1900円損するの、比べるまでもない。
しかもこれは最低の場合の計算。
3人連れ、4人連れの客を逃していたなら、さらに損。
また、来るかどうか分からない客のためにウン万円払って、
遠いところに1台分の駐車場を借りてもその1台埋まったらそれまでだ。
ヤマダ電機なら、客が来た時にしか費用が発生しない
駐車場を400台分も確保できる。しかも近い。
「たしかにそうねえ」
ラクシュミの顔がみるみる明るくなった。
あんまりシステムを複雑にしても良くない。
「お食事2000円に付き、1時間分の駐車場代をお店が負担します」
これがベターだろう。
シャルマもラクシュミも納得。
「じゃあ、やってみよう」という事になった。
▲水曜日はマンゴプリンをサービス。うまい。
なぜ、ここまでバンチャガルに肩入れするか。
シャルマが友人ってのもあるけど、それ以前に、
うまくて良心的な店に客が来ないなんて事は残念でならないからだ。
あまつさえ、まずくて非人道的な店に客が集まるなんて我慢ならん。
今後も星ヶ丘バンチャガルを応援してゆくよ。
ちょっとやってみたい企画もあるし。