最近は全くと言って良いほど見かけなくなった。駆除は成功したと考えて良いと思う。
そんなわけでノミバエ駆除の情報をその方法も含め、書いておこうと思う。
ノミバエ駆除の情報
▲これがノミバエ。丸い背中と長い足が特徴。
<駆除の基本>
問題解決は対処と予防がセットになっている。
記事『ノミバエ戦争』で、色んな撃退グッズを試した上で思うのは、
それらを駆使し、どれだけ成虫を殺しても根本的な解決には繋がらないという事。
なぜなら、すぐに次の世代の成虫が発生するから。イタチゴッコになるだけ。
対処だけでは不十分。予防をして始めて駆除と言えると思う。
撃退グッズ使ったのにぜんぜん減らないじゃん!
なんて言ってるヒマがあったら掃除した方が断然、効果的。

※ちなみに市販されてるコバエホイホイは効果薄い。
コバエというからいかにもノミバエにも効きそうな印象を与えるが、
この商品は微妙に食性が違うショウジョウバエ用の商品だから。
ショウジョウバエは目が赤いという特徴があるので区別がつく。
不当にバカ高いので少なくともノミバエ撃退の目的では買わないように。
<ノミバエの害>
ノミバエは飛び回る、走り回るのがうっとうしい、という
不快害虫として扱われる事が多いが、それだけじゃない。
ノミバエは動植物性有機物、つまり食品に直接、産卵をする。
これを知らずに口にすると孵化した幼虫が腸内の粘膜を刺激し、
激しい下痢や腹痛を起こす消化器ハエ症の原因になる。
また、口ではなく肛門から幼虫が侵入し発症する例もある。
侵入した幼虫は腸内の食物を喰い漁る。
腸壁に穴を開けるまではできないので、いずれ便となって排泄されれば治る。
ただし、もし長期にわたる便秘などがあれば、どうなるか分からない。
日本のハエ症の約半数はノミバエによるものと言われている。
ノミバエは不快害虫以前に衛生害虫だと認識した方がいい。
▲これもノミバエ。ちょっと黄色い。左下は大きさ比較のための鉛筆の先。
<ノミバエの生態>
実はノミバエの生態はあんまり解明されてないらしい。
それでも調べてみた結果、次の事が生態として言えるようだ。
・体長2〜4mm。飛翔もするが、素早い歩行も得意。
・条件(気温等)が合えば産卵から1日以内に孵化できる。
・その後、約2〜3日間の移動が可能な幼虫期間を経てサナギになる。
・サナギになってから10日前後で羽化、成虫になる。
※つまり孵化から2週間を待たず成虫になる事ができる
・成虫の寿命は10日ほど。3日目には産卵できるようになる。
・成虫は1匹が30〜40個の産卵を何度も繰り返す。
・動植物性有機物・特に腐敗した有機物に好んで産卵する。
・植物性有機物の方が好むという報告もある。
・交尾・産卵は1組(1匹)が行うと触発され他の成虫も次々に始める。
・幼虫は殺虫剤に対する感受性が低い。(効きにくい)
・卵・サナギに至っては殺虫剤は、ほぼ効かない。
・繁殖期は4月下旬〜10月上旬。特に6・7月は爆発的。
・集光性があり、昼は窓ガラスに、夜は灯に集まる。
・気温の変化に敏感。特に耐寒性は低く、活動が著しく鈍くなる。
・秋は越冬のために家具(洋服タンス等)に大発生する場合がある。
<駆除方法>
●対処
・まずは発生源を特定する。キッチン・バスルームが怪しい。
目に見えないところが発生源の場合もある。発生源は一カ所とは限らない。
・トイレは用を足した後必ず流してしまう為、発生源の確率は低い。
※もちろん、周囲もちゃんと掃除してればの話だけど。
・発生源を全て洗浄しても卵を完全に除去するのは難しい為しばらくは発生する。
・羽化から産卵ができるようになるまで3日。成虫はなるべく早めに撃退する。
・電気ショックでの撃退方法は単に気絶してるだけ、という場合もある。
しばらくすると復活して、再び元気に飛び、走り回る事がある。
・窓の近く、電気スタンドの下に、めんつゆをお椀に入れた
誘引トラップを仕掛けるのが効果的。(勝手に溺れ死ぬ)
・めんつゆの他にはビール、酢、漬け物の汁なども効果がある。
・誘引トラップは絶対に置きっぱなしにしない。
・殺したノミバエはできるだけすぐに処分し、放置しない。
・卵、幼虫、蛹などには殺虫剤が効きにくい。一番効くのは熱湯。
●予防
・ゴミ箱は必ず蓋付きのものを使う。
体が小さくわずかな隙間でも侵入するため完全に遮断できるわけではない。
・ゴミ箱は底に新聞紙を敷いたビニール袋を入れて使う。
それでも飛沫などで汚れるのでゴミ箱そのものも定期的に洗浄する。
・生ゴミはよく水を切ってから捨てる。
・卵の殻の内側はよく洗ってから水を切って捨てる。
・三角コーナーは即刻使用中止! ぶんなげて二度と使わない。
有機物を無防備で放置しておく意味が分からない。かえって不潔。
・ゴミの収集日は絶対に逃さない。逃した場合は、
完全に密閉した上で次の収集日まで室内で保管しておく。(他人に迷惑かけない)
・食後の片付けはすぐに行う。食べた後の食器を放置しない。
・コンビニ弁当容器、食品パックなどの容器は必ず洗い流して捨てる。
・排水口のネットの目的はパイプの詰まり防止でしかない。
食後の片付けの後は必ずネットそのものも洗う。
・食後の片付けの後は、シンク内に薄めた洗剤・漂白剤などを
全体的にスプレーしておく。
・風呂に入る前でなく風呂上がりに浴槽を掃除する。
・風呂の排水口は定期的に洗浄する。
・洗濯物を溜め込まない。
・長時間過ごす場所は念入りに掃除機をかける。
・布団はこまめに洗う、干す。
※人間の皮膚・皮脂も有機物という事を忘れてはならない。
・ハイドロカルチャーの底に溜った腐敗水も発生源になる可能性がある。
たまにでいいからハイドロボールを洗うと良い。
・帰宅時は服をはたく等して室内への侵入をできるだけ防ぐ。

こんなところかな。
この内のいくつかでも実践すれば、効果あるはず。
ぼくの場合は、直前にこの部屋に住んでた住人が不潔だったため、
入居した時点ですでに発生していた。出て行ってすぐ入ったのもいけなかった。
相当不潔にしていたのだろうね。キッチンの裏に幼虫がウヨウヨしてた…(´_`;)
こんな状態で部屋を貸すのだから、管理会社も相当テキトーだよ。
マジで引っ越そうと思った。引っ越してきたばかりなのにさ。
1年目は惨敗…どっちを見てもノミバエだらけで、諦めムードのまま秋を迎えた。
そんな状態でも、ここに書いた対処と予防を実践し続けたら
2年目には完全駆除できたよ。発生したばかりなら、もっと早く駆除できるハズ。
効果は必ずある。がんばって。