
ユタカからバンビの看板デザインを頼まれた。
ここ数ヶ月、ユタから「掃除した」「ペンキ塗った」「商品仕入れた」など
開店に向けての準備を報告してもらってたので「いよいよか!」って感じだ。
さて、看板デザイン始めっか! と思ったとこに、
ユタカが「看板屋さんにデザインのデータ送って」と言ってきた。
いきなり、なんだ。
さく:「データってなによ?」
ユタ:「ん? 前、作ったやん」
さく:「あれはホレ、『こんなんどーお?』って感じで作ったもんやし」
ユタ:「あれでええよ」
さく:「え、でも、5分くらいでパパーッと作ったもんやに?」
ユタ:「おん、ええんじゃない?」
さく:「そっか… 分かった。じゃあ、インフォメーションだけ直すわ」
ユタ:「あのままでええよ」
さく:「おいおい、あれは、ひとまず入れた単なるダミーやに?
開店時間も閉店時間も定休日もテケトーデタラメやぞ?
なのに、あのままでええの?」
ユタ:「ええよ」
さく:「マジかて」
ユタ:「マジやて」
思い切りがいい。すがすがしい。よっ、隠れ豪傑。いいぞ、ユタカ。
さすが、この肝心な開店準備中にガンダム小説全12巻読破しただけの事はあるぜ。
ぼくとしても、あのデザインで、まぁええと思う。
ホントにダメなら、たとえユタがいいと言っても、
「いやいや、あれはあかん!」と、やり直す気が起こるハズ。
そういうのも特に起こらないし。ヘタに手を加えるよりいいかも。
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とはいえ、
実際に看板が付くロケーションが分からないと。
看板は看板の内容にいくら気を使っても、看板の貼り方や貼る場所で、
台無しになってしまう事はいくらでもある。
そして「看板さえ付けられればデザインは何でもいいッスよ」
というスタンスの看板屋はそんな事、気にもとめてない(所が多い)
だから、デザイナーは、それも含めて考える必要がある。
ひとまず、店頭の写真を送ってもらった。

▲手前のフェンスは撤去されている。テントの上のでっぱり部に看板が付く
ユタが看板屋から聞いたサイズを伝えてきたが、
それは看板屋があらかじめ用意しているサイズだ。それじゃマズイと思う。
それでも一応、そのサイズでのデータを用意した上で、
Skype挟んで、いろいろ打ち合わせた。
聞いたサイズの看板をそのまま付けると、こういう事になる。

▲テントと上部の窓状のモノについてた柵は即興レタッチでとっぱらった。
左右に地が出て、気持ちがわるい。
いかにも「アリモノをくっつけました」って感じで印象が悪い。
なので「店の横幅イッパイにならんか」と提案。
そもそも、そういうつもりでデザインしたし。

▲店の横幅イッパイ。こういう事。
「なるほどね」とユタカ納得。
さっそく看板屋に電話して、できるかどうか聞いてくれた。
できるらしいって事で、ひとまず、これで!という事になった。
(「ひとまず」というのは嫁さんのお伺いがあるのでね...)
看板上部の窓状のものは窓ではなく装飾らしい。
何をイメージしたものなのかはわからんけど…
以前はパン屋さんでそこが閉店してから10年くらいほったらかしだったらしい。
そういえば、そのパン屋さんがまだやってた時、当時中学生だったユタは、
学校帰りに寄ってパンを買ってたらしい。その店で今、彼は店をやろうとしてる。
という話を今日はじめて聞いた。シレッと言いやがった。
なぜ、こんなおもしれえ話を今まで黙ってたのか。
ユタはこういう所がある…
それはともかく、この窓状の装飾、なんか利用できねーかって事で、
○ニクロみたいに巨大な写真でも掲げたらどうじゃろって事でやってみた。

▲サキちゃんの写真をダミーで入れてみた。
わはは。なんか笑える。まぁ、イメージを掴むためのダミーやから。
おすすめの子供服着た子供の写真やら、おすすめの玩具で遊ぶ子供の写真やらを、
入れたら、かなり目をひくんじゃねぇか、と。季節によって入れ替えたり。
いつも写真じゃなくても、こんなようなことをやってもおもしろかろう。
ユタと店の話をしている時に、
「最初は子供雑貨の店だけど、だんだん自分の趣味のガンプラ置きだして、
そのスペースがだんだん増えてって、そのうち模型屋になるんじゃね?」
というジョークをよく言ってるので、そうなった時のイメージも作ってやった。

▲お台場ガンダム時の写真をダミーで入れてみた。
ウケた。まんざらでもなさそうだった。
冗談はさておき
壁の色は今んとこ、灰色に見えるくらい褪せた水色だけど、
いずれ、色を塗り替えるらしい。
ユタはイタリア好き。サッカー観戦やら新婚旅行やらで行っている。
「その時見たイタリアの家の壁の色がええと思う」と言った。
以前、見せてもらった旅行時の写真の記憶を思い出して、やってみた。

▲明るい黄土色。悪くない。
「おー、いいねえ」とユタカのる。
ぼくは白の方がいいんじゃないかなと思った。やってみた。

▲巨大写真がよく映える。
「おー、いいねえ」とユタカのる。
窓や壁は、ガッポリ儲かったら、改めて考えようぜって事になった。
とはいえ、夢は広がる。愉快だ。


※ここに挙げた写真は、打ち合わせ時の即興レタッチなので出来はゴアイキョよ。