引っ越しました

2009年12月10日

林文具店の思い出1

ユタカとスカイプで話してて、小さい頃の話になった。

「あそこの文具屋なんて名前だったかな」
「えーっと…林文具店! ハッ」

その店名を口にした瞬間、ほろ苦い思い出がよみがえった。


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ほろ苦い思い出

ファミコンが流行りだしたのは、小学3、4年生の頃だったかな。
クラスの男子(当時はゲームは男子がやるものっていう印象が強かった)の
9割が持っていて、持ってないぼくは肩身の狭い思いをしていた。

みんな誕生日やクリスマスに買ってもらっていたんだよね…
ぼくはと言えば、クリスマスのプレゼントがセーターだったりした。
セーターって… 日用品じゃんか… なんてガッカリしつつも、
子どもなりに気を遣って言えなかったなー…

閑話休題。

クラスの男子で持ってないのがぼくも含め3人になった時、
ぼくは自力で買おうと一念発起した。
自力と言っても小学生、バイトなんかできるはずもなく。
つまり小学生の“自力”とはお小遣いを貯めて買うという事を差す。

14800円のファミコン本体を買うために、1日50円のお小遣いをコツコツ貯めた。
(ちなみに周りの友達はみんな1日100円のお小遣いだった…これまた肩身が狭かった)
友達がみんなケチパン(近所の駄菓子屋)でお菓子を買って
ムシャムシャ喰ってるのを横目で見続ける事、1年強。
堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び、ついに貯めた14800円ジャスト!

ぃよっしゃぁぁぁーー!! 買いに行くぜぇぇぇーー!!

飛び乗ったケッタマシーンを全力でこいで向かった先は…

ここで、1つ言っておかなくてはならないのは、
当時のファミコン本体は、たとえ14800円あっても、
おいそれと買えるようなものじゃなかったって事。
冒頭でも触れたようにクラスの9割が持ってるような
大大大大ヒット商品、圧倒的に品薄だったのだ。
どこのオモチャ屋に行っても品切れ売り切れゴメンクサイ状態だった。

そんな希有な存在であるファミコン本体販売店をぼくは密かに内偵していた。
そう、それが、いわんや、林文具店だった!

文具店の隅っこに、なぜか鎮座し燦然と輝くファミコン本体!
なんという場違い! なんという盲点!! なんという穴場!!!
もし、誰かに見つかったら、ほぼ間違いなく即買いされた事だろう。

ぼくは誰にも内緒にして、さらに週に一度は必ず、
まだあるかどうかを確認しに行っていた。それを半年前からずっと続けてきた。

さぁ、その林文具店に到着ッ!!
ケッタをガシャーーーンと派手に横倒しにしつつ転げ降り、
「ごめんくださーーーい」念願のファミコンの元へと駆け出した。


ついに…ついに、ファミコンがぼくのものに…アハハウフフ(脳内スローモーション)

・*:.。. .。.:*・゜゚・* (´ー`*)・*:.。. .。.:*・゜゚・*

と、ところがだ!!

つづく


posted by さくらい | 追想 | 更新情報をチェックする
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