帰ってきたコーケッピのかぁちゃん。
コー母「ただいま〜。あら、さくらい君、来てたの?」
ぼく「おじゃましてまーす」
コー母「ゆっくりしていってね。あ、そうだ。チョコ食べる?」
ぼく「ありがとうございます!」
ファミコン手に入れて、チョコまでもらえて今日はなんていい日なんだ
・*:.。. .。.:*・゜゚・* (´ー`*)・*:.。. .。.:*・゜゚・*
と、ところがだ!!
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コー「ぼくのはー?」
コー母「ごめんね〜。1コしかないの」
コー「えーぼくもほしいぼくもほしい〜」
コー母「じゃあ、はんぶんこしなさい、ね」
コー「やだよー1つほしーいー」
なんと、コーケッピは泣き出した。
もともと、タラーンとした奴だと思っていたが、
ここまで甘えん坊だったとは…
キョトーンとするぼく。
チョコ一枚で泣くかぁ〜?
もし、ぼくが親にこんな態度とったら、
はったおされて終わりだろう…
ぼく「…いいよ。コーケッピ、食べやぁ」
コー母「まーごめんね。もーこの子はぁ」
コーケッピはグスグス言いながらも、
チョコを受け取り、無言でかじっていた。
と、まぁ、こんな一悶着がありつつも、
気を取り直し、ぼくはファミコン本体をコー母に見せた。
ぼく「おばさん、ぼく、ファミコン買ったんだー♪」
他意はない。まぁ、なんていうか、子どもだったのでね…
誰にでも自慢したかったんさ。
コー母「あらー、いいわねー! 高いんでしょ、これ。
誕生日に買ってもらったの?」
ぼく「んーん。自分で…」
と、その時だ!!!!
脇でチョコをかじっていたコーケッピが
再び、声をあげて泣き出した!!!
コー「ぼくもほしいぃーーービェェェェエエエエエ」
呆れてしまった。おいおい、コーケッピよ…おまえは赤ちゃんか。
チョコとはわけが違うだろ。そんなね「ほしい」ってぐずったくらいで、
おいそれと買ってもらえるような…
コー母「もーしかたないわねぇ。いくらするの?」
へ?(°д°)
ちょちょちょちょちょちょ、おかあさま!?
ここは、はったおす所でございましょう!?
なぜ、金額をお聞きになられる!?
それじゃ、まるで…
コー「グスッ ヒック…いちまんえんくらい」
いちまんえんくらい〜〜?(`皿´#)
いちまんよんせんぱっぴゃくえん、じゃい!!
要求するなら、せめて金額くらい把握しとけ!!
コー母「えー、そんなに高いのぉー!?」
これでさすがに、はったおされよう。
コーケッピよ、人生そんなに甘くは…
コー母「えー…もぉ〜、どこで売ってるの?」
ちょちょちょちょちょちょ、おかあさま!?
ここは、はったおす所でございましょう!?
なぜ、売っている場所をお聞きになられる!?
それじゃ、まるで…
コー「ヒグッ グシッ …わが、わがんな…エグッ」
わかんねぇだ〜〜?(`皿´#)
こちとら、半年も内偵してやっと売ってる所を探しあてたんじゃい!!
要求するなら、せめて売ってる場所くらい把握しとけ!!
コー母「わかんないじゃ、買えないでしょー」
そしてクルッとぼくの方を見て、魔の一言。
コー母「さくらい君は、どこで買ったの?」
お、おかあさまぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
そりゃあんまりですだぁ〜。半年ですよ? 半年!!
ぼくがどれだけ苦労して探し当てたか!!!
でも、教えない正当な理由がない…
ぼく「は、林文具店で…」
コー母「あらそ」
この瞬間、ぼくが半年分かかって掴んだ特S級の情報を
コー母はものの5秒程度のやりとりで手に入れた。
もちろん、コー母はそんな事、知る由もない。
ないからこそ「あらそ」なのだ…
おかあさまぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
おかあさまぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
はったおしあそばせよ!
おはったおしあそばせよぅ!
グズッたからってすぐ買い与えては、
お子様の教育上よろしくな…
……ぃゃ、もうムリだ。ぼくが脳内でなんと叫ぼうとも、
もうこの流れの行き着く先は変わりそうもない。
なんせ、金額を聞いて、場所まで聞いてんだ。
もし買い与えるつもりがないのなら、そんな事は聞くはずない。
それを知ってか知らずか相変わらずピーピー泣くコーケッピ。
泣きたいのはこっちだっつーの…
コー母「じゃあ、行くわよ。いつまで泣いてるの」
でぇっすよねー! こぉんちきしょーい!
(ノTДT)ノ⌒┻┻・..。;・' .。 ←脳内ちゃぶ台返し
いや…いいんだよ。泣いてるからって、
チョコみたいに、ぼくのファミコンをあげるわけじゃないんだ。
ぼくはぼくのファミコンが当然、そのまま残るし、
コーケッピはコーケッピでファミコンを手に入れられる。
2人ともファミコンをゲットしてニッコニコ…それでいいじゃないか…
でも、なんだ、この釈然としない気持ちは…
ふつふつと沸き上がる言い知れない感情は…
ファミコンを手に入れた瞬間のあの喜び絶頂から、
奈落の底へ叩き落とされたような絶望感は…!!!
そして、未だピヨピヨ泣き続けるコーケッピよ…
なんなんだおまえは。ほんとに、いったいなんなんだ。
聞こえなかったのか? かぁちゃん、買ってくれるってよ。
ぼくの1年強にわたる貯金と半年にわたる内偵の成果を、
おまえはものの10分程度グズっただけで手に入れられるんだ。
こんな幸せな事はないだろうさ。
なのに…
なのにだ…
おまえは、なぜ泣き続ける!?
わけがわからねぇ…
わけがわからねぇ…
わけがわからねぇぞ、
こんちきしょーーーーーーう!!
・゚・(ノД`;)・゚・ヽ(`皿´。)ノ=3
つづく