引っ越しました

2010年01月28日

ミトッコーン

星ヶ丘のインド料理屋バンチャガルに行った。

IMG_5099_400.jpg
 ▲まかないはネパールの家庭料理が多い。うまし。

用事はサクッと済み、まかないにまぜてもらった。
友人で店主のシャルマ(ネパール人)とおしゃべりした。

愉快な時間を過ごせた。



――――――――――――――――――――――――

こんな話した

シャルマは今、テレビを見るのにはまってるらしい。
好きな番組はなに? と聞いたら、ニュース・相撲・時代劇らしい。
特に時代劇は「ミトッコーン、スキ!オモシロイ!」と興奮気味だった。
(ミトッコーン = 水戸黄門)
印籠を出すジェスチャーを何度となくしてくるので、
しかたなくハハーッとやってあげたら、喜んでたな。

そういえば、シャルマとテレビの話をしてて
前々から「これは変だ」と思ってた事が頭に浮かんだ。
それはニュース速報が日本語でしか流れないという事だ。
それをシャルマに話したら「オー、ボクモ、ソーオモウ」と
目をむいて言ってた。

シャルマもテレビを見ててピンコンピンコン♪と音が鳴り、
画面上部に文字が出ると「大きなニュースがあった」という事は
分かるらしい。でも肝心の内容が分からない。日本語が読めないから。

時代劇が楽しめるくらいなので、聞いたり話したりはできても、
書いたり読んだりは十数年、日本で暮らしているシャルマでも難しい。
別にヒンズー語を表記しろとまでは言わないが、速報するほど、
重要なニュースなら英語表記してもいいんじゃないかと思う。
しなきゃいけないんじゃないかと思う。

ま、それはともかく。

酒呑みのシャルマ。
酔っぱらってかシャルマのコックとしてのポリシーも色々語ってくれた。
ぼくは尊敬できる人のこういう話を聞くのがわりと好きだ。
ちょっと長いのでカタカナで書くと読むのも疲れるだろうから、
普通に日本語で書くけど…

シャルマは「バンチャガルの他にうまい店ある?」と、
聞かれるのがイヤらしい。全部うまいんだって。
どの店もうまいものを出そうとがんばってる。
あとは、人それぞれの好みがあるから、
どこの味が自分に合うかはお客さんが決めればいい。

と、そういう事らしい。

店によっては「他にうまい店ある?」と聞くと、自信満々で
「この店が一番うまい」「他の店はまずい」と言うトコもある。
っていうか、こういう大風呂敷な人多い…

そう考えると、シャルマの姿勢は、一聞、謙虚だ。
でも考えてみれば「どの店もうまい」という前提で
自分の店に来てほしい、自分の味を気に入ってほしいワケだから、
逆に、よっぽど自信がないと言えない事だと思う。

現実にはシャルマほどの志を持った店は少ない。
味はシャルマも言ったように好みがあるから、なんとも言えないけど、
まず「お客さんに喜んでもらいたい」っていう志が大前提にある店は
本郷のビシュヌ、植田のプージャ、そして星ヶ丘のバンチャガル…
くらいかな…ぼくが知ってる中では。残念だけど。

あとは悪いけど、ちょっと信用できないんだ。少なからず。
そういう店もひっくるめて「インド料理店」として、
バンチャも見られてしまうのは忍びないので、あえて言うけど、
明らかに客をなめてる店が多いんだよ。
“どーせ分かんないから、いいやいいや”で、
適当なもの、ヤバいものを出してるトコも実際あるんだ。
インドで10年修行した!? ふざけんなってね。
(ちなみにシャルマはマジでインドで10年修行してる)

シャルマに「バンチャは最近どーお?」と聞いたら、
「オカゲサマデ」とだけ返ってきた。ニコッと笑顔で。

お陰様で

カタコトだけど、そこらの日本人以上に意味を理解してる。
シャルマは謙虚だ。本当に自信がある人は謙虚である。


posted by さくらい | 日常 | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。