「お互い骨休めしようぜ」つー感じで。
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これが大人の男の休日です
部屋に入った瞬間、ユタが尿意を表明。
ユタはうちでは“出す男”と呼ばれている。
鼻水・ゲップ・くしゃみ・しゃっくり・あくび・屁…
人間が行う排出行為のおよそ全てが、常人の3倍というデトックス王である。
しかしまぁそこは男同士の間柄。
「いやはや、今日も出しますなぁ」ってなもんだ。
いつもなら。
ところが今日はそうはいかなかった。
なぜならぼくも尿意をもよおしていたからだ。
じゃあ、トイレをかけてバトルのかと言えば、そこはなかよし!
「お先にど〜ぞ」「いやいや、お先にお先にぃ」
「お客さんが先やて」「それを言うなら家主やて」
「そんなえーて」「あかんて」「そんなえーて」「あかんて」
喫茶店のレジ前奥さまミニコントをひととおり楽しんだ。
「そんなえーて」「あかんて」「そんなえーて」「そーぉ?じゃあ!」「ぇ…」
そんなこんなで、それぞれの尿意を解消したわれわれ。
まずは、まぁ近況報告的な意味も込めて、
「新しいゲーム作ったんだー」なんつったり、
「小太郎ブログで紹介されたんだー」なんつったり、
「ほらーボロクソ言われてんだー」なんつったりして、
ゲラゲラ笑って過ごしてみる。
流れで小太郎ブログで紹介されている他のゲームで遊ぶ。
いやはや、Nano Ninjaサイコーだわ。
これは、友人と交互にやると盛り上がるゲームだと思う。
前回ハイスコア時の忍者の影が表示されるから、
「抜かされた」「よーしよし!追い抜いたぞ!」「うゎー槍でつかまったー!」
なんつって盛り上がれる。そのうち言葉は意味をなさなくなり、
「フゴォー」「ニギィー」「ムシャー」などの奇声出るほど盛り上がった。
お隣さんには、ゴメンナサイでござる。ニンニン。
最終的においらが勝ったのに、ユタがくやしがらず、それがくやしかった。
その後も、冷蔵庫に用意しといたキャラメルプリンとか喰いながら、
他のゲームで遊び、笑い過ごした。
▲ユタが付属のプラスプーンを折っちまったので特別にくじらスプーンを貸した
昼になった!→はらへった!→メシ行こう!→
何喰おう!→ネットで調べよう!って事になり、
結局、うちから1キロメートルくらいのとこにある
『寅安』という学生相手のドカ盛り食堂に決まった。
平日昼間にヤロウ二人でテクテク徒歩で。
雨上がりの日本晴れ。青い空には白い雲。
「あの雲はアーガマに似てる」とか「あっちはグワジンだな」
などと、なにげにガンダムトークしながらテクテク。
▲ソフトクリームをおごってやった。「オレ抹茶!」「俺バニラ!」イェーイの図。
『寅安』に到着…するも、満員御礼。
▲売り切れボードを常備するほどの人気店m( _ _ )m
しばらく隣の雑貨屋でヒマをつぶす事に。
▲となりの雑貨屋。右は自動しゃぼん玉機。バイクで走ってると気をとられ危ない。
ところが、かなりツボをおさえた品揃えで、
二人とも、ついつい衝動買いをしてしまった。
ぼくが買ったもの
ペンギンの置き物、かえるピンチ、ぐにゃラバ電卓
ユタが買ったもの
ランチョンマット4点セット、木製ミニカー2つ。
▲左がおいら、右ユタカ
はい、雑貨の話はこのへんに。
寅安。
ランチタイム終了30分前くらいに入ったら、やっと座れた。
あれ? 「いらっしゃいませ」は? ま、いいや。
ユタはチキンステーキ定食。ぼくは唐揚げ定食。
「ごはんは大盛りにもできますけど」とおばちゃん。
「大盛りで」とユタ。「じ、じゃあ、ぼくも大盛りで!」とぼく。
すると、おばちゃん「残さないでくださいね」と吐き捨て去っていった。
…ちょっとまって。
最初から気になってたけど、おばちゃん無愛想すぎない? ニコリともしやしない。
これは…テキサスバーガーの二の舞か!?
「残すな宣告」が耳に入った斜め前の席のOLもビクッとしてた…
で、出て来たのがコレ。
▲隣のサラリーマン二度見レベル。これでも少し食べてる。
完全にだまされた。文字通り一杯喰わされた。
ごはん大盛りがどーのこーのって話の時「残すな宣告」を受けたのに、
本陣は唐揚げの方じゃねえか!
二の舞には違いないけど、テキサスじゃなくトルコの方だった。
ユタと飯を喰いに行ってただで済んだ試しがねぇな…
それでも「残すな宣告」に負けたくなかったわれわれ。
何度も何度もインターバルを置きながら、
特大オムライスを切り崩してゆく隣のサラリーマンを横目に、
努めて平然な顔を保ちながらヒョイヒョイと口へと運んだ。
丼に丼をかぶせたようではあるが、ごはんの方はなんとかなりそうだった。
問題は唐揚げだ。
正直、あんまりおいしくないんだよ…固いんだよ…レモンすら付いてないんだよ…
ユタのチキンステーキはさほど量は多くなかった。
量的には唐揚げの1/3くらい。(なぜ同じ750円でこんなに差が…)
「おー唐揚げ、うまそーだなー」とユタがナイス“援護射撃”をかますので、
おばちゃんに聞こえよがしに「しょーがねーな。ほらよ、もってけ」なんつって、
ユタの皿にいくつか置いた。(心の中では「おまえマジいい奴!」と思いつつ)
かなり悪戦苦闘したけど、それを顔には1mmたりとも出さず、ザ・完食!!
でも、しばらくぼくら、席を離れなかったんだ。
なぜなら、さっきビクついてたOLさんも特大オムライスに悪戦苦闘してたからだ。
ランチタイムはすでに終了、残った客はぼくらとOLさんのみという状況で未だに。
ここでぼくらが出ていったら、OLさんは一人になってしまう。
あのおばちゃんの事だから「んっんー」とか咳払い(プレッシャー)しかねない。
それは、かなりバツが悪かろうと思って。
ザ・やさしさ ですよね。
しばらく、トマト嫌いなユタに、ネギ嫌いなぼくが、
「トマトは千切りにして料理内にまぶされたりしないから、まだマシだ!」
と訴えてみたりして時間をつぶし、OLさんが完食したのを見届けてから、
さりげなくレジへ向かった。「ごちそうさまー」
帰り際、あいかわらず無愛想なおばちゃんに、言ってやったぜ。
「量、ちょうど良かったですよ」
「むしろ、少し物足りないくらいでした」
カランコローン(退店)
きまったぁーーーーー
ザ・超クール ですよね。
まぁ、退店直後に、ユタは「トイレ行きたい」とか言いだしたんだけどね。
そこは、さすが、出す男の面目躍如だよね。
『寅安』に戻ってトイレ借りればいいものを、意地でコンビニまで歩いたユタ。
ザ・勝ち組 ですよね。
部屋についたら、二人ともグッタリ。
炎天下、往復2キロ歩いた事より、胃が張ってグッタリ。
『寅安』はんぱねぇ…ウプッ。
ザ・ボロぞうきん …ですよね。
そのまま、泥のように横たわりながらタイムアップ。
所用があるユタは帰らなくちゃいけない時間になった。
「いい休日になったな〜」「そうだな〜」なんつってバイバイ。
いやはや、いやはや。
これが大人の男の休日です …か?