「戦う」 ←これはよく使われる“たたかう”
誰でも読めるだろう。
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では「戦く」「戦ぐ」は?
「戦く」は“おののく”と読むらしい。
恐怖や不安でぶるぶる震える的な。
“おそれおののく”とか、たまに見る言い回し。
なんというか、逃げ腰な感じだね。
立ち向かう感じの「たたかう」とは真逆な印象。
「戦ぐ」は“そよぐ”と読むらしい。
風に吹かれてそよそよと揺れ動く様子。
“風にそよぐ木の葉”とか“風にそよぐマフラー”とか。
なんだか、のんびりほんわかした感じがする。
“おののく”とは違う意味で「たたかう」と真逆な印象だ。
1つの漢字で、なぜこんなに違う印象の意味を持つのか。
多重人格のひとみたい。不思議だ。
特に“そよぐ”の方。 戦ぐ …かなり違和感がある。
例えば“そよかぜのいたずら”は、
漢字にしたら「戦風の悪戯」になるの?
まるで松田優作主演のバイオレンス映画のようだ。
…と思ったら“そよかぜ”は「微風」と書くらしい。
なんだ、そっか。(・_・)
ただ、“微風”の意味を辞書で見ると「そよそよ吹く風」とあり、
“そよそよ”の意味を辞書で見ると「“そよぐ”と同語源」とある。
あながち“戦風”が、まったく外れてるとは言えないようだ。
しかし、例えば、“微風、涼風、強風”などと
分かれてる事が多かった昔の扇風機のボタンは、
“戦風、涼風、強風”という事になり、
これでは強風より戦風の方が強い印象を受けてしまう。
戦風ボタンを押したら吹き飛ばされそうだ。
そんなわけで微という漢字を当て「微風」と使うようになったのかも。
だったら「風に戦ぐ」も「風に微ぐ」にすれば良い気もするんだけど、
「微ぐ」は“そよぐ”とは読めない。
ちなみに“ぬるまゆ”は「微温湯」と書く。
「微」は“ぬる”とも“ま”とも読まないのに、
ここでも、都合良く使われてちゃってる。これまた当て字。
ぼくは今まで、ぬるまゆは「温間湯」と書くと思ってた。
温かいと温かくないの間の温度の湯 みたいな解釈で。
こっちの方が意味と読みがピタッとくると思うんだけどな。
でも、やっぱり“ぬるまゆ”は「微温湯」なんだ。
漢字ってワンダ〜 ヽ(´ー`)ノ