洗い終わった皿を拭いていたら、割れた破片がコトリと落ちた。
何の前触れもなく。

▲鳥の頭みたいな破片
むかし、インド人は皿を割っても謝らないと聞いた事がある。
「この皿は割れる運命にあった」とか「私の意志とは関係ない」とか…
聞いた時は、なんて勝手な言い分だ! くだらん言い訳だ!
なーんて思ったもんだけど、考えてみれば状況によるなと思う。
今回の皿のように、すでにヒビが入っていて、
いつ割れるかもしれなかった皿が、今日ついに割れた…
これなら「割れる運命にあった」とか「自分の意志とは関係ない」という理屈も、
なんとなく、納得できるというものだ。
そうした納得できる理屈を聞いたおばかさんが、
そう言えば許されると、どんな状況でも使うようになって、
広まってしまったのかもしれない。
実際、インド人はなかなか謝らない。皿はともかくも。