前回までのあらすじ
ひつまぶし食パン → みんな笑顔!
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『おぱ会(1)』
『おぱ会(2)』
ニシノカオリ食パンで、心を鷲づかまれたわれわれ。
そこに、いよいよ最終兵器、登場ッ!
ズドーンと投下されたのがバゲット砲である。
▲ズドーン!
参加者一同、おめめキラッキラ。よだれダラッダラ。
「早く喰わせろ!」と暴動が起きんばかりの盛り上がり。
マリーアントワネットも「ケーキを食べればいいじゃない?」
なんて口が裂けても言えないであろう餓鬼共ひしめく修羅の庭。
し か し
まずは、ぱんちき先生の講義である。
そうだった。がっついては味わえない。平常心、平常心。
「さぁ見てください。この男前なクープ!」
クープとはバゲットの表面に入った切れ込みの事だ。
これが立っていた方が、“男前” という事になるのだそうだ。
なるほど、なるほど。
「人は見た目じゃないが、バゲットは見た目です(キッパリ)」
(°д°) (°д°) (°д°) (°д°) (°д°) おおぉ〜〜〜〜ッ
これまた、一般人からすると、ぶっとんだ提言である。
しかし参加者一同、ご託宣を頂いたかのような感嘆を漏らした。
「おいしいバゲットは、必ずクープが立っています」そう言いながら、
ぱんちきさんは手にしたナイフをエイヤッと一気にふりおろした。
スパッ 見事に輪切りになったバゲット。
その断面には、意外な光景が広がっていた。
▲輪切りのバゲット
穴…(°д°;)
穴である。
▲BGM:空洞です(ゆらゆら帝国)
参加者一同の動揺をよそに、
ぱんちきさんは次なる一太刀をふりおろした。エイヤーッ!
スパッ バゲットのカラタケワリ!
その断面は、われわれをさらに驚嘆させた。
▲カラタケワリされたバゲット
穴!穴!穴!穴ーッ!(°д°;)
そもそもバゲット自体、日頃から食べているわけじゃない。
それでも、これがそんじょそこらのバゲットとは明らかに違うと理解できた。
一同、ゴクリ。身を乗り出して、穴を覗き込んだ。
ぼくは、思わずつぶやいた。
「何か… 何かが棲んでそうですね… この穴に…」
今にして思えば、これも “一般的にまともとは言えない発言” だ。
だが、その場に居合わせた者は誰も否定しなかった。
そう思わせるに充分な説得力のある衝撃的なビジュアルだったからだ。
この穴バゲットを実現させているのが、
ビリョーイーストテーオーチョージカー
という技らしい…
あいやワカラン!(ノД´; )
ひとえずカタカナでメモッておいた。
その意味が分かったのは、帰宅後、漢字に置き換えてからだ。
微量イースト、低温、長時間 なるほど!(°∀°)
こうして
じっくりと「食べたくて仕方ない」というテンションを高めて、
ついに頂いたバゲットは、えも言われぬ味わいだった。
表面はバリッと、内側はもちっと。ふわっと広がる小麦の香り。
どの顔にも笑顔があふれてた。
ごちそうさまッ!m9(;`Д´)」
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おぱ会、総括
パンと向き合う? 五感をフル活用?
そんな精神論や方法論で、おいしくなるかぁーい!
パン風情が! ちゃんちゃら、おかしいわーい。(`∀´)ノメ
最初はそう思ってたよ、正直ね。なめてた。
でも、それは無理からぬ事なのだ。
だって今回のパン達に、出会うまで、ぼくは、
普段食べてた、あのパンしか知らなかったのだから。
向き合う事でパンがおいしくなる。
ではなく
おいしいパンは向き合うに値する。
そういう事なのだろう。そう捉えるとしっくりくる。
“向き合わなくても” うまいパンはうまい。言ってしまえばね。
だったら「うまいパンを知る会」と銘打った方が分かりやすい。
「はいはーい、どこそこのパンうまいっすよーオススメー」
それも別に間違いじゃない。
でも、やっぱ「向き合う会」なんだよね。(´ー` )
愛するとはどういう事か、その視点とか姿勢とか、
そういうのと一緒に愛すべきパンを知る機会を得られた。
これは、きっと、とても幸福な事だ。
これまでの人生で、何でもなかったものが特別なものになった。
これからの人生で、しあわせだと感じられるものが1つ増えた。
改めて、参加して良かった。
▲冊子:パン道(ぱんちきさん作)
リチルさん、参加者のみなさん、そしてぱんちき先生、
すばらしい時間を過ごさせてもらったよ。
ありがとーう。(多´ー`謝)ノ