今日、とあるインド料理屋のママさんから、
ピンチ通信がきて出向いた。新型カブで!(ふふふ)
そこで、聞いた話にひっくりかえった。⌒ |_|○
なんでもネット販売の契約にハンコついたらしい。
あなたの店にもしつこく電話かかってこないかい?
「おたくの商品をネットで販売しませんか?」ってやつ。
アレアレ。
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ご用心!
あくまで、ママさんから聞いた話。
あくまでママさんが契約した「C社」の場合の話。
まず契約内容ザックリと。
●通販サイトの設置・管理・運営料として 毎月27000円 + ●その通販サイトのサポート料として 毎月8000円 + ●加えて売上が発生した場合は都度マージン支払い。 ※これ3年契約。計126万円+α。途中解約する場合は一括払い |
次に事の経緯をザックリと。
かねてよりネット販売に興味があったママさん。
そこへ、C社からの「ネット販売しませんか?」の電話攻勢。
こりゃ渡りに舟だっつって来てもらった。
ママさんはパソコンのパの字も知らない。
当然ネットのネの字も知らない。
ましてやネット販売なんて右も左も分からない。
それを充分、C社側に伝えたところ、
「万全のサポートで懇切丁寧にお教えしますので!」と言われ、
ママさんこれを鵜呑みにし契約書にハンコぽん。
ところが契約後、一切C社から連絡ナシ!
契約前のうるさいほどの営業攻勢がウソのような静けさ。
ケイタイに転送されてくるはずの受注通知メールも…ナシ!
そんなナシのつぶてで半年経過。
「もしかしたら受注通知メールが転送されていないのでは?」
そう思ったママさん、自分の通販サイトの管理ページにログイン
…しようとするもパスワードでハジかれログインできない。
仕方なく毎月8000円もぶんどるサポートに連絡。
"懇切丁寧" が聞いて呆れる電話口 のみ のサポート。
ま、当然、一向にログインできない。
パソコンのパの字も知らない人に電話口のみで教える…
これは非常にむずかしい。内容によっては不可能と言っていい。
ぼくは最初ママさんがパの字も知らない人だから、
ログインできなかったんだと思った。
でも違った。
結局、拉致があかず、スタッフに来てもらったらしいのだが、
そのスタッフでさえ、ログインするだけで30分以上かかった。
その原因はスタッフのスキルが未熟なのか、システムの不備なのか、
とにかく専門スタッフがログインするだけで30分はありえない。
それをパの字も知らない人にヤレというのだから尚更ありえない。
ログイン後、受注履歴を確認 → 成果ゼロ。
この時点で、半年経過してる。当然、その間の月々の支払いも。なのに成果ゼロ。
これには、さすがのママさんも不満ばくはつ!
「どうなってるのよ! 契約前の売り文句とぜんぜん違うじゃない!」
これに対するスタッフの言い草。
「頻繁に更新しないと難しいと思いますよ」
つまり、売上がないのはサイトを更新しない店側の責任で、
当方には一切責任ゴザイマセンが何か? ってワケだ。
ログインさえできないのに、どう更新しろと?(=∈=;)
ママさん、ふたたび詰め寄る。
「じゃあ更新するから教えてよ!」
「売れるようにするにはどうすればいいのよ!」
「だいたい懇切丁寧にサポートするって言ったクセに
これまで一度も連絡よこさないじゃないの!」
これに対するスタッフの言い草。
「システムのサポートはいたしますが、
そういった事はお客様の方で考えていただかないと」
つまり、サポートの範疇は "サイト管理の方法" のみで、
"売上を伸ばすための方法" はサポート対象外ってワケだ。
結局、成果ゼロのまま、何の進展もなく、何の対応策も打てず、
パソコンのパの字も、ネットのネの字も知らないママさん、
途方にくれちゃって。
で、ぼく投入。(今ココ) というワケ。
えーっと…(=_=;)
ナ ニ コ レ ? (°∀°;)
もうどこからつっこんでいいかわからない!
めちゃくちゃだ。全部めっちゃくちゃ!ヽ(`Д´)ノ
どこを切ってもどうかしているウンコ味の金太郎飴!
このサービス内容についてはひとまず置いといて、
こんなもんに126万気前よく出しちゃう気が知れない!
いったいなんでこれにハンコつけるんだよッ!ヽ(`Д´)ノ
するとママさん、こう言いおった。
「だって私ネットわからないんだもーん(´・д・`) 」
!!(唖 °д° ; 然)
ってわけで、
キツいお灸を据えるつもりでママさんにそうしたように、
ここでも、わかるように整理してみる。
まず
ママさんは商品を売りたい!これが目的だったはず。
楽に手間なく売れるならそれにこした事はない。手段なんてどうでもいい。
別に通販サイトを自分で運営する事が目的じゃないんだから。
ママさんは通販代行サービスと契約したくらいのつもりでいたという。
一方、業者側は、通販サイトを自分で運営する事が目的の人に、
「そのお手伝いしまっせ」というつもりで来てる。ツール・手段を売りにきてる。
この時点で「求める目的」と「応える目的」がズレてるよね。
ズレたまま、最終的に業者側の解釈で契約しちゃってる。
業者側と店側の契約の解釈には明らかな齟齬がある。
問題は、このC社が、パの字もネの字も知らないママさんだけに、
当然予測しうるこの齟齬を放置して契約させたフシがあるって事だ。
未必の故意。現にママさんは "そういうつもり" で契約してるのだから。
契約前、都合の悪い事は伏せた都合のいいアプローチをされたと。
だったら!
ここでは、あえて、契約内容・現在の状況・成果から、導き出した、
都合の悪い事をそのまま伝える都合の悪いアプローチをしてみようと思う。
こんちわぁー。システム屋ですぅー。 通販サイト作成するシステムいかがっすかー? え、通販サイトを作ってくれるのかって? いえ違います。 そのシステム使って通販サイト作るのはあなた自身です。 うちはあくまで通販サイトを作るためのシステムを売るだけ。 ちょちょっとパソコン操作して後は丸投げですよ。 え? あなた、パの字もネの字もしらないんですか? 分かりました。使い方は、教えますわ。電話でね。聞けばね。 いちいち出向きませんし、聞かない限り、いちいち教えません。 うちで作った製品の使い方を教えるっていう当然の事ですけど 「サポート」って名目で月々8000円いただきますね。 ま、使い方を教えるだけで、売り方は教えられませんけどね。 うちはシステム屋なんで、そんなの知ったこっちゃないです。 え? 儲かるかって? だからぁ…そんなの知ったこっちゃないですってば。 うちはシステムさえ売れれば、それでいいんですから。 いいですか? 例えばあなたホームセンターでジョーロ買ったとしますよね? 「このジョーロ使えばきれいな花咲きますか?」と聞かれて、 「もちろんです!」なんて請け合う店員います? いないでしょ? そういう事ですよ。うちはジョーロ売るだけです。 花が咲くかどうかなんて知ったこっちゃないです。 さて、そのジョーロの代金ですが97万円です。 さきほどのサポート料ふくめて126万円ですね。 買っていただいたら、ジョーロお渡しするので、 あとは勝手にどうぞ。 もし売れなくても損害被るのは全部あなたです。 うちは責任なんて負いたくありません。 あ、でも、もし売れた時はマージンいただきますね。 うちは手間もリスクもナイに等しいです。 ローリスクハイリターンで儲かります。 だから途中でやめてもらいたくないです。 なので、3年契約してください。 どういう事かっていうと、一切売れなくても、途中でやめても、 126万だけは確実に支払ってもらうという約束です。 この契約するなら途中でやめてもらってもぜんぜん構いません。 その場合は、残金一括で払ってくださいね。 あ、あと3年経ったらシステム使えなくなります。 3年間、あなたががんばって作ってきた通販サイトをとりあげます。 それがイヤなら契約更新してくださいね。 ってわけで、ここにハンコ押してください。 |
どう、コレだったら!
押すぅ? 押すかぁ? ハンコ。
押すわけねぇーよなぁ?m9(;`Д´)
わかるよねぇ?
パソコンのパの字も、わからないから?
ネットのネの字も、わからないから?
ちがうよねぇ?
こんなもんはパの字もネの字もまったく関係ない。
まったく関係なく、こういう説明されたなら、押さないんだ。
押さないはずなのに、押してる。これはナゼかって事よ。
なぜ "わからないもの" に126万ポンと出しちゃうのか。
それは「わからない」だけに、甘い幻想を見てしまうからだ。
ある意味、見させられてしまうからだ。そうと分からないように。
例えば、実績 。
「1万店がうちのシステム導入してます!」
業者はおそらくこういう謳い文句でアプローチしてくるわ。
「あら、1万店も使ってるなら、ウチも…」とか
思っちゃいがちだ。さも1万店、みんな儲かってる、と。
でも、よぉーく考えてみて。それは単に導入した数でしょ?
"てめーんとこが儲けた" 実績でしかないでしょ?
そうじゃないじゃん。欲しいのは"うちがどんだけ儲かるか"
その見込みをつける材料じゃん。そのための実績じゃん。
使ってるのなんて極端にいえば1店でもいいさ。そんなもん。
その1店が「このシステム導入した事でいくら儲けたか」
それを言いやがれって話じゃないのよ。
ちがうかい?
「パソコンわからん」なんてことは、実は大したネックじゃない。
パソコンがわからないからって、商売がわからなくなるわけないでしょ。
ネックなのは、パソコンがわからないという事を理由に、
普段は普通にできる当然の判断ができなくなるってコトなの。
ネットという "手段" と、販売という "目的" を混同してしまう。
「ネット通販 "さえ" すれば売れる、儲かる」そう思ってしまう。
この負のポジティブシンキングこそが、すべての元凶。
逆じゃんか。
"わからない" 事だったら尚さら警戒しないと。
まずは126万、全部ドブに捨てると思わないと。
そっち側から考えないと。すべて疑ってかかってかからないと。
相手は「パソコンわからん」というのをいいことに、
そこにつけこんでくる! いいくるめてくる! そそのかしてくる!
そういう心構えで検討しないと。
ハイ! 結論!
ご用心!!m9(;`Д´)
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追記
C社の業務そのものに違法性はない。たぶん。
この記事は「悪徳業者にご用心!」って主旨ではない。
ジョーロの例えの通り。それを使ったからって花が咲くとは限らない。
「通販サイトやりたいわーでもシステム作れないわーシステムほしいなー
それさえあれば、あとは全部、自分でやるんだけどなー」
って人に、求めるものを提供する、店側もこれを完全に理解・納得して契約、
これならばC社には何の問題もない。悪徳でもなんでもない。
だからって、この契約内容やサービス内容の "評価" は別だけどね。
要するに、あなたの要求・目的と、C社が提供できるサービス、
そしてそのためのコストが、ちゃんと見合っているかという事。
そのへん、うやむやなままの契約書にハンコぽんってのはダメ、
そんな自分の油断に、ご用心って事。
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追々記(2015.10.5)
社名を伏せ字にしました。