ちょっとした勘違いがいつのまにか広まり
まったく別の意味として使われ定着してゆく。
語源・由来を調べれば
本来は正しいとは言えない
そんな言葉だらけだ。
例えば
「げきをとばす」という言葉。
漢字で書けと言われたら、ほとんどの人は
激励の「激」という字を書くんじゃないかな。
「元気づける」とか「活気づける」とかって意味にも沿う。
ところが、実は「檄」と書く。
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檄ってなんじゃらほい
檄とは、昔の中国で使われた召集・決起を呼びかけるために使われた木札の事。
よって「檄を飛ばす」とは、本来、
「多くの人に向かって主張し同意を乞う!」みたいな意味らしいんだ。
例えば…そうね。
運動会の開会式の校長先生の言葉、全校生徒に向かって
「正々堂々と戦いましょう!」なんてのは、本来の意味の「檄を飛ばす」だね。
どこぞの運動家が街頭で「原発なんぞ要らんのですッ!」なんてのもそうかも。
でも、昨今では
「元気ない人に奮起を促す」みたいな…それも、やや挑発的に。
カンフル的に使われているんだよね。
例えば…そうね。
覇気のない息子に「やる気を出せッ」と頑固おやじが檄を飛ばす、とか。
自信喪失した選手に「這い上がってこい!」と監督が檄を飛ばす、とか。
でね、
この記事は何が言いたいかというと、
皆さん意味を勘違いしてます!誤用なのです!
正しい意味で使うべきではないでしょうかァ!ヽ(`Д´)ノ
などと、檄を飛ばしてるのではなく (´ー` アラ)
これって、おもしろいね ってこと。
数年前、文化庁が発表した「国語に関する世論調査」の結果は、
「檄を飛ばす」を本来の意味で使う人は、たった20%弱しかおらず、
本来とは違う意味で使う人は70%強と大逆転になっている。
(残りの約10%は「檄?それってオイシイの?」って人と思われる)
こうなっちゃうと、本来の意味はもはや「正しい」とは言い難い。
瓢箪から駒。嘘から出た真。勝てば官軍、負ければ賊軍。
今や誤用が正用で、正用が誤用と、認めざるをえない。
ガリレオの地動説とはワケが違う。こうなってしまった以上、
いつまでも、誤用だ!誤用だ!なんてキリキリ言ってても詮ないのだ。
時代のうねりに、二転三転、こねくりまわされる中で、
多用され、支持され、残ったものが、ザ・ジャスティス!
それが言葉のおもしろいトコ。
もはや
「本来」は「正しい」とは言えない
1つ前の記事『世界冗語巡り』にしてもそうだね。
もはや「本来」というものに正しさを求める事はできない。
「本来はこうなのだから、こうすべきだ!」ではなく、
「本来はこうなんだって。おもしろいね〜」これで良いのだと思う。