通りかかった見知らぬ少年からあいさつされた。
「こんにちはー」\(^〇^)/ 元気。ニコニコ。
10歳くらいかな。空手の道着を来ていた。
喫煙所には5・6人の大人がいて全員振り向いた。
でも、あいさつを返したのは、ぼくだけだった。
あいさつを返してもらって気を良くしたのか、
少年はニコニコ近寄ってきて話しかけてきてくれた。
「今日ねー、空手だったんだー」\(^〇^)/
「空手かー、かっこいいなー!」(´ー` )
ぼくもニコニコ返した。
「でも白帯なんだぁ。クラスで僕だけ白帯なんだぁ」(´・ω・`)
「そうかぁ。そりゃくやしいなぁ!」( ・`ω<´)
「うん。くやしい!」( ・`ω<´)
「あせるなぁ!」( ・`ω<´;)
「うん。あせる!」( ・`ω<´;)
「がんばれよ!」( ・`ω・´)/
「うん。がんばるよ!」( ・`ω・´)/
「えらい。その意気」(´ー` )
「おじさんは空手できるの?」(・∈・)
「おじさんは空手できんなぁ」(´ー` )
「空手の型みる? おじさん、できるかなぁ」σ(・∈・)
「おっ、見せてよ。どんなよ?」(´ー` )
「こうだよ!」( 」・`ω・´)ー シュッシュッ
「おっ、かっこいいなぁ! こうか?」(/´ー` )/
「アハハ。おじさん、ちがうよぉ!」\(^〇^)/
「んー? ちがうかぁ? こうか?」\(´ー`\)
「アハハ。それは盆踊りだよぉ!」\(^〇^)/
「そっかぁ。盆踊りならおじさん黒帯なのになぁ」(´ー` )>
「アハハハ」\(^〇^)/
〜20分ほど語らう〜
「あ、僕もう行くね。お母さんに怒られる!」(;`Д´)
「おう、行け行け。母ちゃんに心配かけちゃイカン」(´ー` )
「うん。またね! おじさん!」\(^〇^)/
「おう、またなー。気をつけてなー!」(´▽` )/
タタタッと駆け出した少年。
ふいにピタッと立ち止まってクルッと振り向いた。
「おじさーん!」\(^〇^)/
「おーう、なんだーい」(´ー` )
「トモダチになっちゃったねー!」\(^〇^)/
「なっちゃったなー! また会おうなー!」(´▽` )ノシ
「うん。じゃーねー!」\(^〇^)/
タタタタタ…
ハイ。
こんな事があったんよ。
さて、ここまで読んだあなた、
この出来事をどう思うだろうか。
一期一会、ちょっと素敵な出会い。
見知らぬ者同士の少年とおじさんの微笑ましい交流。
世代を越えて芽生えた小さな友情物語。
…的なさ。
一見 心温まるエピソード て。
そんなふうに思ったんじゃないだろうか。
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ところがだ!m9(;`Д´)
この話を妹に話したんさ。電話でね。
「もしもし、妹? おれおれ兄ちゃん」(´ー` )
「おー兄ちゃん。どした。なによ」(´ー` )
「これこれこういう事があってさー」(´ー` )
「へぇ…そうなんだぁ…」(´ー` ;)
「おれら小さい頃、“人にあったらあいさつしなさい”って教わったろ?」(´ー` )
「そうだねぇ」(´ー` )
「そう教わったはずの今の大人世代が、
子どもからあいさつされても返しもしないってどうなのさ。
とか思ってね。今の子ってどう教育されてる?」(´ー` )
「うーん…“知ってる人”に会ったらあいさつしなさい…かなぁ。今は」(´ー` ;)
「へー。知らない人は知らんぷりしろって教えてるの?」(・∈・)
「いや、そういうワケじゃないけど…うーん難しいんよ」(´ー` ;)
ここまで聞いて、やっとハッと気付くぼく。
「それはつまり…物騒的な? 防犯的な? 不審者的な?」(;`Д´)
「そうだねぇ…私がその空手少年の母親なら心配しちゃうなぁ」(´ー` ;)
「なんと…(;`Д´)だったらぼくも無視すべきだったのか?」
「うーん…だから、そこは難しいとこだよねぇ…」(´ー` ;)
「いやいやいやいや、ちょっと待ってよ。
あいさつ返しただけで不審者呼ばわりなのか」(;`Д´)ノシ
「いや、あいさつくらいはいいかもしれんけど、
20分も話したってのは…ちょっとねぇ…」(´ー` ;)
「いやいやいやいや、ちょっと待ってって。
あいさつと何が違うの。語りあっただけで不審者呼ばわりかって」(;`Д´)ノシ
「いや、私は兄ちゃん知ってるからさ。でもその子の母親は、
その子から“こんな事があった”って聞くワケでしょ」(´ー` ;)
「そ、それがなによ」(;`_´)
「子どもの説明だよ? 子がニコニコ笑って"こんな事あったんだぁ"って
話したとして、親も笑って “そう。良かったねぇ” で済むと思う?」
「……ぐっ」(=_=;)
子どもと20分も語り合う見知らぬおじさん…
誰? どこの人? どういう人? 何か企んでるんじゃ…
よぎるベネッ〇… よぎる倉敷… 確かに親としては… 心配かも…(=_=;)
「あ、あ、悪意はないんだぜ! ホントだぜ!」ヽ(`Д´;)ノ
「いや、だから、分かってるって。私はね(笑)
でも、その子の親は分からないワケじゃん」(´ー` ;)
「じゃ、じゃあ、あの少年、今頃母ちゃんから怒られてっかな。
“知らない人と話しちゃいけません!”なんつって…」(;`_´)
「…かもしれんねぇ」(´ー` ;)
「(ガーン)」(;`Д´)
「あいさつくらいはいいけど語り合うのは…
そういう大人、あんまりいないってのもあるし(笑)」(´ー` ;)
「(ガーン)」(;`Д´)
「知ってる? 学校から、そういう情報メールで届くんだよ」(´ー` ;)
「な、なにそれ? “そういう” って?」(;`_´)
「いや、だからさ、不審者出没情報的なさ注意喚起のさ」(´ー` ;)
「えっ! そうなの!?」Σ(°ロ°屮)屮
「そうだよ。“どこそこで車に乗せられそうになりましたー”とか、
“これこれこういうふうに声掛けられましたー”とかさ」(´ー` ;)
「なにそれ!? あ、いや、“車に乗せようとした”とかは
明らかにアレだから、防犯上、有用だと思うけどもさ、
だからって声掛けられたってだけで? 神経質すぎない?」(;`Д´)
「まぁねぇ…でも毎回、詳細がくるわけじゃないし」(´ー` ;)
「どういう事?」(・∈・)
「“声掛け事例が発生しました” のみとか」(´ー` ;)
「の、のみ!?」(;`Д´)
「うん。なんて声掛けられたか詳細トカ一切なし」(´ー` ;)
「ちょっと待ってよ。ホントに声掛けただけで不審者扱いかよ。
“車に気をつけて帰れよー” これだって声掛けだぜ?」(;`Д´)
「うん…だから微妙なんよ。だって、情報の素は、
実際声を掛けられた子どもで、親はそこにいたワケじゃないんだから。
子どもが親に説明して、それを親が学校に報告して、
それを学校が他の親達に拡散するわけだから、もうね…
子どもの受け取り方次第だし、親の解釈の仕方次第だし
学校は報告された以上、拡散しないワケにはいかないし」(´ー` ;)
「な…なるほどぉ…」(;`_´)
「あんまり過敏になるのもいかんと思うから、
“声掛け事例がありました”のみの場合は、そんなに気にしないけど、
だからって、楽観もできないからねぇ… やっぱり、
“人を見たらまず疑え” って方向にしつけちゃうよねぇ…」(´ー` ;)
「ギスギスした世の中だなぁ…オイ」(´・ω・`)
「不審者全員 “私は不審者です” って札を
首から下げてくれてりゃいいんだけどさ…」(´ー` ;)
「そりゃそうだ。ごもっとも。ま、無理だけどね。
あ、ひらめいた!(・o・)
それを不審者に望めないのなら、不審者ではないオイラの方が
“私は不審者じゃないです”って札を首から下げて歩けばいいんじゃね?」(´▽` )
「それは “私は不審者じゃないです”って札を首から下げた不審者だねぇ」(´ー` )
「…ですよねぇ」(´ー` ;)
以上。
1時間半も付き合ってくれた妹、いい奴。(感´ー`謝)
というわけで 想定以上の実情 が分かった。
となると、
あいさつ無視の理由も察しがつく。
つまり、
下手にあいさつを返すと、それだけで不審者扱いされかねない。
あまつさえ、話したりしたら通報されかねない。
そうしたリスクを回避するための処世術=あいさつ無視。
そういう事…なのかもしれない。(・∈・)
そんなことより、思い出すのは
「トモダチになっちゃったねー!」\(^〇^)/
少年のあの笑顔だよ。
くったくないよー。あーくったくない。
近年まれに見る、くったくなさだったよ。あの笑顔は。
あのね
トモダチになっちゃったんです。われわれ。( ・`ω・´)人( ・`ω・´)
問題は
この友情は、この社会では認められないのか って事ですよ。
言い換えれば、
この社会に、この友情を許してもらう手段はあるのか って事ですよ。
社会とか言うと大袈裟になっちゃうけどさ、要するに、
少年の親御さんに “ぼくは怪しい者ではない” と分かってもらう手段だ。
少年が「今日はおじさんとこんな話したー」\(^〇^)/って話した時、
親御さんの頭に “ああ、あの人ね” と、即座にぼくの顔が浮かんで、
「そうなの〜良かったね〜」(´ー` )と安心して笑ってられれば問題なし。
なぁんだ解決じゃん簡単じゃん(・∈・)
そう思ったあなた。本当にそう?
もっと具体的にシミュレーションしてみてちょうだいよ。
現時点でぼくは、少年について何も知らないんだよ。
どこに住んでるとか。もちろん、親御さんの事もさ。
じゃあ少年にそれを教えてもらう?
↓
いや、ダメでしょ。子どもから個人情報、聞き出すなんて。
じゃあ少年と連れ立って親御さんにお会いして、ごあいさつ?
↓
いや、だからダメでしょ。ともするとコレ誘拐でしょ。
じゃあ少年に手始めに名刺でも渡してみっか?
↓
いや、ダメでしょ。子どもに名刺て。それ見て通報でしょ。
じゃあ… じゃあ じゃあ! じゃあ!!
親御さんに安心してもらうためには、
親御さんにぼくという人間を知ってもらうしかない。
それにはまず親御さんに接触しなければ始まらない。
でも、それを “子どもを通して” 行おうとすると、
どうシミュレーションしても、結局、不審行為 になってしまうんだ。
知ってもらいさえすれば、安心してもらえるはずなんだ。
でも、それ以前に そこに至る正規ルート が見当たらないんさ。絶望的に。
ぼくは次に会った時にあのくったくない少年\(^〇^)/が
今回の件をきっかけに親御さんから“まず疑え” と、しつけられ、
こんな顔(´・ω・`)して目も合わせず通り過ぎたりしたら
ショックだよ。寂しくて悲しくて、なんだか悔しいよ。
一期一会、ちょっと素敵な出会い。
見知らぬ者同士の少年とおじさんの微笑ましい交流。
世代を越えて芽生えた小さな友情物語。
「これは不成立!」と社会から突き放されたような。
「許す事はできない!」と。「認める事はできない!」と。
本質的には、決して悪い事ではないはずなのに…(´・д・`)
しかし… 不思議だよね。
「良い人間関係はまず気持ちのいいあいさつからです」
「子どもを地域ぐるみで守りましょう。声掛けは大事です」
こんなのって、よく耳にするでしょ? “善き事” として。
でも、それを実践すると、“悪しき事” になってしまうんだ。
(´・д・`) なんなんだろうね、これは。
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後日談
やっぱ、 こんな顔(´・ω・`) してたわ…
目も合わせないって事はなかったよ。
気まずそうにこっちを見てニコと笑った。
それで全てを察して、うなずいた。
ごめんな少年。
世の中、どっかまちがっている!m9(;`Д´)